石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医/指導医、インプラント専修医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
歯周病の治療において、スケーリング・ルートプレーニングは重要な処置の1つです。http://www.takenouchi-perio.com/treatment/mild.html
プラークや歯石などを歯面からしっかり除去し生物学的に許容される歯面をつくることが、歯周組織の改善に繋がるからです。
ルートプレーニングは、ポケットの状態や歯石等の付着状況にもよりますが、通常は口腔内をいくつかのブロックに分けて行っていきます。理由としては、取り残しのないように行うには時間もかかりますし、患者さんの疲労度も考慮する必要があるということ、また保険請求のルール上、ルートプレーニングを一遍にやることが難しいといったこともあります。
一方、フルマウスディスインフェクション(フルマウスSRP)は、1990年代にQuirynenにより提唱された方法ですが、24時間以内に全口腔内の歯周病菌の除去を目的にすべての歯のSRPを行うという方法です。短期間でSRPを終えることで、処置した部位への細菌の再感染を予防もしくは遅延させ、良好な治癒を得ようとするものです。現在は、抗菌薬を併用する方法も報告されております。
当院は、歯周病専門医がいるクリニックということもあり、重度に進行した歯周病の患者さんや年齢が若いのにもかかわらず歯周病が進行している侵襲性歯周炎の患者さんも来院されます。
写真の患者さんは20代の女性で、左上の3番(犬歯)の歯肉がよく腫れるということで来院された方ですが、検査してみると12mmの歯周ポケットが認められました。以前にも何度か腫れたことがあったそうですが、その時は応急処置だけで終わったとのことでした。
全体的にも深いポケットがあり、年齢的にみても進行が早いため細菌検査を行ったところ、レッドコンプレックスといわれる重度歯周病に関連の強い3菌種、Pg菌、Td菌、Tf菌が非常に高い値で検出されました。
このまま何も対応しなかったら、若くして歯を失う可能性が高い状態であり、早期に治療を進める必要がありますが、ここで障害となったのが、患者さんは多忙でコンスタントに通院するのが難しいということでした。
そこで患者さんと相談し、フルマウスSRPを行うことになりました。
全ての処置が終わり、9月に再評価を行った時の状態がこちらです。
歯肉の腫れはなくなり、左上3番の骨欠損も改善しているのが確認できます。
歯周ポケット測定時の出血部位は54%から8%になり、12mmあったポケットも6mmにまで改善しました。(つい先日いらした時には、4mmになっていました)
細菌検査においても、前回非常に高い値で認められた歯周病細菌はすべて検出されなくなりました。
この結果を患者さんにお伝えした時には、とても喜んでいただき、安堵の表情を浮かべておられました。
若い女性にとって早期に歯を失うのはとても辛いことですからそれも当然です。
自分の歯が長く残り、その方の人生がより良いものになるのが歯周病治療です。歯周病は沈黙の病気ですので、定期的にチェックして早めにケアしていきましょう!
カテゴリー:症例