歯周病による歯の病的移動

石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医/指導医、インプラント専修医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。

本日梅雨明けしたそうですね。連日猛暑日が続いておりますので、体調には十分留意してください。

歯周病が中等度~重度に進行すると、歯を支持している組織が失われ、歯は動揺し、病的に移動してしまうことがあります。

写真は重度の歯周病の患者さんですが、全体的に歯肉の炎症が強く、すべての歯において歯周ポケットは7mm以上であり、歯周ポケットを測定した際の歯肉からの出血は97%でした。

40代の方でしたが、年齢的にみてかなり進行が速い状態で来院されました。

歯の動揺も著しく、上の前歯を見ていただくと、外側に歯が傾斜しており、出っ歯になってしまっているのがわかると思います。

 

歯肉縁下(ポケット内)には多量の歯石が強固に付着しており、歯科衛生士によるSRPを行い、炎症のコントロールを行いました。

その後、臼歯部にはエムドゲインを用いた再生療法を行いました。

上顎の犬歯が下顎の犬歯より内側に入ってしまっていたので、矯正治療も検討したのですが、費用的なことで矯正治療は行いませんでした。

下の写真はメインテナンス時のものです。歯肉の色が全然違いますね。

 

患者さんが真剣に治療に取り組んでくださったので、歯周組織は改善し、歯周病の進行を抑えられる状態にまでになりました。

治療前に認めれた歯の唇側傾斜(出っ歯になっている状態)ですが、炎症をコントロールすることで、口唇圧なども加わり、自然に内側に入っているのがわかります。

犬歯周囲のコンタクトの消失は、噛み合わせのこともあり完全には解消されておりませんが、歯肉の炎症を取り除くだけで、このように自然に歯が本来の位置に戻ることがあります。

今後も、歯にかかる力などに注意しながらメインテナンスを行い、歯周組織の変化を見ていきたいと思います。そして将来、もっといい状態にするために、矯正治療が導入できればと思います。

カテゴリー:症例

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