石神井公園駅北口徒歩1分、歯周病専門医/指導医、インプラント専修医、医)竹和会 たけのうち歯科クリニックの竹之内です。当院は、歯周病・インプラント・審美歯科・予防歯科に積極的に取り組んでおります。
歯周病の治療を行う上で欠かせない処置である、スケーリング・ルートプレーニング。
今日では、ルートプレーニングからルートデブライドメントという概念になっていますが、
どちらにしても、歯面に付着したプラーク(細菌)や歯石などの起炎物質を除去し、生物学的に為害性のない状態を作りだす必要があります。
そのために、下の写真のような手用スケーラー(グレイシースケーラー)や超音波スケーラーなどを用いていきます。
歯を綺麗にしたいということで、クリーニングを希望され来院される方がいらっしゃいますが、その方の中には歯肉縁下歯石⦅歯と歯肉の間には隙間(ポケット)があり、その部分の歯面に付着している歯石⦆がかなり多量に付着していることもあります。
聞くと、今までもクリーニングは定期的にしていたとのこと。それにもかかわらず、歯肉縁下歯石が多量に認められることもあるのです。
歯肉縁下の歯石は患者さんには見ることができませんし、見える部分である歯肉縁上のスケーリングをすると、患者さんは綺麗になったと感じて満足されるのですが、実は歯肉縁下にある歯石などをしっかり除去することの方が重要なのです。術者は、歯肉縁下の歯石があるかどうか、しっかりと除去できているかどうか、しっかりと判断して適切な処置をする必要があるのです。
もし、歯肉縁下の歯石を残したままにしていると、クリーニングをしても歯肉がよく腫れたり、歯肉から出血したりするだけでなく、さらに歯周病が進行することもあります。
歯肉縁下のスケーリング・ルートプレーニングは、決して簡単な処置ではありません。術者のスキルによって大分差が出てますし、歯周ポケットや歯の形態、歯石の付着状態によっては処置の時間もかかります。
ですから、クリーニングを希望されて来院された方の中には、1~2回のクリーニングで終了する方もいれば、治療回数や期間のかかる方もいらっしゃるわけです。
下の写真の患者さんは、歯周病の治療を行ったが、歯肉の腫れを繰り返すということで当院に来院された方です。
一般の方はわからないと思いますが、前歯の裏側の写真をみると、歯肉縁下歯石がうっすらと確認でき、歯肉の色もよくありません。
レントゲン写真上で歯の周囲の骨吸収は進行しており、歯周ポケットを測定すると、上顎前歯部(右上犬歯~左上犬歯)において中等度から重度の歯周ポケットが認められました。
歯肉縁上には歯石の付着はほどんとなく、一見きれいに見えるのですが、実は歯肉縁下の歯石が残存しており、歯周病が進行している状態であったのです。
そこで、患者さんにはしっかりとその状況をお話し、徹底的にスケーリング・ルートプレーニングを行いました。また、前歯部は歯の動揺(揺れ)が著しく、咬合性外傷を併発していたので、接着性レジンによる暫間固定を行い、歯にかかる負担を軽減しました。
下の写真は、治療が終了しメインテナンスにいらした際の写真です。
前歯の歯と歯の間にある透明のものは、歯を固定しているレジンです。
徹底したスケーリング・ルートプレーニングにより歯肉縁下もきれいになり、前歯の裏側の写真を見ていただけるとわかると思いますが、歯肉の色がピンク色になって炎症が改善しています。
レントゲン写真において、骨レベルの改善・平坦化も認められますし、歯周ポケットもかなり浅くなり、メイテナンスをしっかり行っていけば問題ない状態にまで改善することができました。
この結果は、何か特別なことをしたわけではありません。
歯周病治療の基本をしっかり確実に行っただけなのです。
スケーリング・ルートプレーニングに関しては国家資格をもった歯科衛生士が行いますが、その衛生士のスキルがとても治療効果に影響します。
当院は歯周病専門医・指導医のクリニックとして、より質の高い歯周病治療を行うために、歯科衛生士のみんなが常に向上心をもって治療に取り組んでおります。
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