歯周病専門医・指導医とは
専門医
専門医とは、医学・歯学の高度化・専門化に伴い、その診療科や分野において高度な知識や技量、経験を持つ医師・歯科医師のことです。
厚生労働省に認められている歯科の専門医は5つ『歯周病・小児歯科・口腔外科・歯科麻酔・歯科放射線』のみです。それ以外にも学会や団体が独自に定めた専門医や認定医は多く存在しますが、学会規模・専門医試験の内容・更新制度などで厚生労働省の基準を満たしていないものになります。
歯周病専門医
日本歯周病学会が認定する専門医です。
現在、日本の歯科医師の数は約10万人ですが、そのうち歯周病専門医は約1%にあたる1000人程度しかおりません。当院には、院長・副院長2名の歯周病専門医がおります。
日本歯周病学会認定「歯周病専門医」を取得するには以下の要件を満たす必要があります。
- 日本歯周病学会指導医の下で5年以上の歯周病治療の臨床経験を有する。
- 日本歯周病学会の会員になってから5年以上経過している。
- 申請時に50単位以上を取得している。(学会参加・学会発表・論文発表により単位を取得)
- 中等度から重度の歯周病の治療(歯周外科処置を含む)が終了してメインテナンスに移り、6ヵ月以上を経過した症例が10症例以上あり、それらの経過がわかる資料を提示できる。
- 上記をクリアした上で、歯周病専門医試験(書類審査・症例発表・口頭試問)に合格する。
そして、専門医資格は5年毎に更新が必要であり、資格取得後も学会参加・学会発表を行い、歯周病学の研鑽を積むことが求められます。
歯周病指導医
日本歯周病学会が認定する指導医です。 (平成26年6月現在 指導医252名)
指導医の役割は、以下の二つです。
- 歯科医師や歯科衛生士に対して歯周病学の指導を行い、歯周病専門医を育成する。
- 地域歯科医療における歯周病学の指導を行う。
日本歯周病学会認定「歯周病指導医」を取得するには以下の要件を満たす必要があります。
- 専門医登録後、7 年以上の学会歴および歯周治療の経験を有している。
- 専門医登録後、認定医・専門医教育講演に 5 回以上出席している。
- 専門医登録後、本学会学術大会または本学会認定医・専門医教育講演または本学会臨床研修会において 2 回以上筆頭発表者として症例発表している。
- 指導医にふさわしい業績を有する。
登録後5年ごとの更新が必要であり、専門医以上に研鑽を積むことを課せられております。
歯周病治療とは
歯周病の治療は、とても幅広く奥が深いものです。
歯のクリーニングを行うだけで早期に治ることもありますが、むし歯や不良な形態の詰め物・被せものを治したり、歯周病で弱った歯を残すために噛みあわせを治したり、プラークコントロールしやすいように歯並びや歯肉形態を改善したりと、歯周病の進行を助長しているリスク因子をコントロールする治療が必要になることも多いです。また、歯周病などで失った歯があれば、それを補うためのインプラント治療や補綴治療(ブリッジ・義歯)も必要になります。つまり、歯科治療全般がオールラウンドにできなければならないということです。
上記のような条件をクリアして取得できる歯周病専門医は、歯周病治療に必要な技術や知識、経験を有しており、科学的根拠に基づいた治療計画をご提案し、的確に歯周病治療を進めることができると考えています。
以下のような歯周病の治療は、歯周病専門医に一度ご相談ください。
- 中等度~重度慢性歯周炎(進行した歯周病)
- 侵襲性歯周炎(若年者に発症する歯周病や進行の早い歯周病)
- 垂直性骨欠損(歯の周囲の骨が一部深くとけている状態)
- 根分岐部病変(根が分岐している奥歯に生じた歯周病)
- 歯根露出(歯肉が下がり、歯の根が露出している状態)
- 一般の歯科で治療を受けたものの、歯肉の腫れや出血が改善しない場合