普段から自分の歯肉を鏡で確認している人は、とても意識が高いといえます。多くの人は、歯の方に目が行きがちで、極端なケースでは、自分の歯や歯肉の状態を長期間、確認しないで過ごす人もいます。そんな中、「歯肉が下がる」という変化に気づけたあなたは素晴らしいです。ここでは、そんな歯肉を生涯健康に保つ上で有効といえる方法をご紹介します。
「歯肉が下がる」とは?
「歯肉が下がる」という表現をよく耳にしますが、専門的には「歯肉の退縮」と呼んでいます。過度なブラッシングなどによる機械的刺激が加わったり、炎症が生じたりすることで、歯肉が退縮します。その結果、歯面を覆っていた歯肉の高さが低くなるので、「歯肉が下がる」という表現が用いられるのです。
歯肉が下がると何が起こるの?
見た目が悪くなる
歯肉が下がると、口腔に露出する歯の表面積が増加します。それは一見すると、歯がのびたように見えますし、歯列全体との調和を乱すため、審美性が低下します。
歯が傷つきやすくなる
歯肉が下がることによって露出する歯質は、本来、歯肉に守られている部分であるため、外からの刺激に弱いです。そこに、強いブラッシング圧や酸による刺激が加わると、容易に摩耗したり、虫歯に罹患したりするようになります。
歯肉だけでなく歯槽骨も下がっていく
歯肉が下がるのは、主に歯周病による症状です。歯肉に炎症が起こることで、歯肉が退縮するからです。そんな「退縮」という現象は、歯を支えている歯槽骨にも起こりますので、歯周病が重症化すると、歯を支え切れなくなって、ついには抜け落ちてしまうこともあり得ます。
歯肉を健康に保つことは歯を守ることでもある
歯肉が下がると、当然見た目が悪くなりますが、それ以上に「歯を守る・支える」という大切な機能が障害されるということも知っておいてください。つまり、歯肉を健康に保つことは、歯を守ることにもつながっているのです。
歯肉を健康に保つための5つの方法
歯垢や歯石をためない
歯肉が下がる主な原因は、歯周病です。歯周病菌に感染して、歯肉に炎症が起こり、歯肉が下がっていきます。そんな歯周病菌は、歯の表面に歯垢や歯石が沈着していなければ、活発に活動することはできませんので、これらの沈着を防ぐことが歯肉の健康を保つ上での第一歩といえます。
フロスや歯間ブラシを活用する
歯と歯の間の汚れは、歯ブラシで除去するのは困難ですので、フロスや歯間ブラシを活用しましょう。歯ブラシだけで済ませようとすると、歯垢が沈着し、やがては歯石となって歯肉を下げる原因を生みます。
歯ブラシで歯肉をマッサージする
歯磨きの際、歯ブラシで歯肉に対するマッサージを行うことで、適度な刺激が加わり、歯肉の血流も良くなります。その結果、歯肉の免疫も向上するため、歯肉の健康を保つことにもつながります。
歯石は歯科医院でとってもらう
歯垢が歯石に変化してしまうと、文字通り石のように硬くなるため、歯ブラシでは除去できません。そこで必要となるのが専門家の力です。歯科医院では、スケーラーと呼ばれる専用の器具を使って、歯石を安全に除去してくれます。患者さん自身が歯石をとろうとすると、歯や歯肉を傷つけるおそれがあるため、控えるようにしましょう。
定期検診を受ける
歯科の定期検診では、歯や歯肉の状態を診るだけでなく、歯石の除去も行います。また、プロによるブラッシング指導を定期的に受けることは、とても大切なことです。3ヶ月なり6ヶ月に1度、ブラッシング法を修正してもらうことで磨き残しが減り、歯肉を健康に保つことへとつながります。
まとめ
歯肉を生涯健康に保つことは、歯の健康を維持することと同義ですので、上述したような5つの方法を実践することで、歯肉が下がるのを防ぎましょう。
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